【エッセイ Essay】モダンバレエって?①

2019.10.23

モダンバレエってなに?

と、よく聞かれます。


一般的に、バレエと聞いて想像されるものはクラシックバレエで、
モダンバレエに対する認知度はまだまだ低いのが現状です。
クラシックと何が違うんですか?バレエはバレエなんですよね?
と質問を頂くことが多いので、モダンバレエについて今回は書いていきたいと思います。

ここ数年、マイナーだったスタイルの踊りがメジャーになってきたり、新しいスタイルの踊りが増えてきたりして、ダンスのジャンルが年々多様化してきているように感じます。
モダンバレエもそのひとつで、10年20年前よりは比較的広まってきてるようには思います。

いろいろなダンスが生まれる中でも、特にストリートダンスでは、ジャンルの区別をつけるのが難しいものも増えてきました。
実際私も、このダンスは何のジャンル?と聞かれて、はっきりと答えられないことも最近は多いです。
例えばジャズダンスだけでも、ジャズダンス、ヒップホップジャズ、ジャズファンク、ストリートジャズ、フリースタイルジャズ、R&Bジャズ、ヒールジャズ、、、など、使う音楽や動き方の違いによってさらに詳しくジャンル分けされています。
ちなみに、ミュージカルシアターもジャズダンスの要素が強く、そこからから派生してできたダンスのひとつです。
ひとくくりにジャズダンスといっても色々な種類のジャズダンスがあって、そうかと思えばさらにそのジャンルにもとらわれないような、個性的な踊りもあちこちで見かけるようになりました。

もともとあるベースの枠から外れて、より自分らしい表現をつくったり、みつけたりする人が増えているんだと思います。
踊る人、踊りをつくる人が、私のダンスはこれです!これが私のスタイルです!と言ってしまえば、それがそのまま受け入れてもらえるような、クリエイティブな踊りの世界がもっとクリエイティブになってきている感じがします。
個を大切にする今の時代の流れを反映しているのかもしれません。

だから、数え切れないほどのダンスのジャンルの中から、少しでもモダンバレエに興味を持ってもらえたり、聞いて下さったりするだけで、私はとても嬉しいです。
モダンバレエ知ってるよ!という人に出会ったら、特別嬉しいです。

でもやっぱり、バレエといえばクラシックバレエのイメージが強いし、バレエと聞いて誰もが思い浮かべるのはクラシックバレエ。
そして私自身もクラシックバレエ、大好きです。
クラシックバレエが無かったらモダンバレエも存在しないので、モダンバレエをメインに踊る私達からすれば、クラシックバレエには頭が上がりません。

ただ、モダンバレエにはまた違った良さがあって、それもすごく楽しくて、それがまだあまり多くの人に、特にダンサーではない人達に知られていないからこそ、 もっとたくさんの人に広まって欲しいし、多くの人にその楽しさを伝えたい、子供たちにモダンバレエを通しても、いろんなことを学んで欲しいと思っています。
クラシックバレエは敷居が高く、手の届きにくいイメージがあるという声を最近耳にすることが実は多いです。
そんな時にモダンバレエがバレエの導入、入り口になることが出来ると思います。
こんなバレエもあるんだ! と思ってもらうことが出来たら、バレエを好きになる人が増えて、クラシックに改めて目を向けるようになる人も増えると思うんです。
やっぱり基礎はクラシックバレエだから。その中でモダンバレエには、バレエの可能性を広げる役割があると思います。モダンバレエも好き!いいよね!と言ってくれる人が増えたら嬉しい。
みんなでバレエ界を盛り上げていけたら、また新しいバレエに対する考え方や見方も出てくるかもしれません。


次の記事でクラシックとモダンの違いや、モダンバレエ、そしてその他のバレエとの関係性が深いダンスについても、書いていきたいと思います。