芸術の大切さ

2019.10.29

すっかり気候は秋になり、落葉樹の葉っぱも少しづつ色づいてきました。

各地で展覧会などのアートの催しが多く開催されるこの時期。
まさに、芸術の秋!ですね!

突然ですが、皆さんは、芸術、アートについて深く考えたことはありますか?

最近では、あいちトリエンナーレの表現の不自由展をめぐる話題が世間を騒がせたこともあり、皆さんにとっても、芸術について考えさせられる場面がいつもより少し多くあったかもしれません。

芸術と聞くとなんとなく絵画や彫刻などの創作物をイメージする人も多いと思いますが、踊りも立派な芸術です。もちろん音楽も。

踊りに携わらせていただく者の一人として、芸術の役割について考えること、思うことが最近増えました。

みなさんは、落ち込んだ時や元気の出ないとき、どんなことをして元気を取り戻しますか?

スポーツなどで体を動かしたり、テレビを見たり、本を読んだり、好きな食べ物を食べたり、お酒を飲んだり、たくさん寝たり、、、
方法は人それぞれだと思いますが、好きなことをしたり、思いっきり休んだりすることで、落ち込んでいた気持ちを忘れてしまうのが一番だったりします。
私もそういう時は、今日のこの不安な気持ちは今だけだ!思い過ごしだ!と思うようにしています。

それで忘れられるときは、それでいいんです。
それでも忘れられないとき、元気の出ないとき、芸術の出番かもしれない!と私は思うんです。

落ち込んだときに、忘れるのではなく、わざと暗い、悲しい音楽を聴きたくなること、ありませんか?

または落ち込んでいるときに友達から、この曲いい曲だよ!とか、この映画いいよ!よかったらみてね!と励まされたりして、自分の今の状況のテーマに合った芸術に触れることで、少し気持ちが楽になることってありませんか?

言葉では表せないものを表現する芸術だからこそ、言葉では表せない自分の気持ちを表現してくれている芸術に触れることで、自分を客観的にみることができたりします。

もちろん落ち込んでる時だけではなく、楽しいとき、嬉しいときもおなじです。

前に、ピエ子さんと話していて、すごく共感し合うことがありました。

ピエ子さんをご存じない方、こちらの方です!(笑)

発表会でいつもオリジナルのユニークなダンスと演技でみんなを盛り上げてくれる、ピエ子さん。

ちなみにピエ子さんは自分の今の気持ちをよく絵に描いているそうです。(笑)
ハッピーなときは、その溢れるハッピーな気持ちをそのまま紙にぶつけ、怒っているときはその気持ちもそのまま紙にぶつけて消化するそうです。(ちょっと怖い(笑))

なんか面白いですが、ピエ子さんをみていて私は芸術家の原点だな〜と思います!

言葉は時々、悪気が無くても人を傷つけてしまうことがあります。ハッピーな気持ちのときはいいかもしれませんが、怒っているときにそれを言葉にして人にぶつけてしまうと、人を嫌な気持ちにさせてしまいます。気持ちを絵にぶつけることで、誰も傷つけることなく気持ちを消化できる、芸術は素晴らしいものだ!と二人で意気投合しました。(笑)

私はそれから怒ってしまいそうになるとき、ピエ子さんがみせてくれたその怒りの絵を思い出すことがあります。そうすると自然と、あ!私今怒ってる!あのときのピエ子さんと同じ気持ちだ!と冷静になることができます。ほんとです!(笑)

芸術は、言葉にできない消化しきれない気持ちを、言葉ではない形で表現してくれるもの。 そしてさらに、違う人がみたりきいたりして共感し、自分を客観視することで、その人の感情を上手くコントロールできるように導いてくれる役割があると思います。もともと芸術はそのためにあるんだと思います。

何をしても消えてくれない不安や葛藤。嫌なことは忘れたらいい、ということさえ忘れてしまうくらい落ち込んでしまうことがある人。たくさんいると思うし、誰だってそういうときがあります。現代社会、特に日本の社会、そういう現状の人が、実はとても多いかもしれません。

そんな時に、芸術に是非触れてみて欲しいです。

伝えたいけど、言葉じゃ伝えきれない!と思った人たちが、芸術という形で様々な作品を創り出し、みんなに見て欲しい、聞いて欲しいと訴えかけています。

学校教育では副教科と呼ばれてしまう分野ですが、芸術科目だって同じくらい大事だと思うんです。私は芸術科目は感情をコントロールして、もっと楽しく生きるためのツールになると思っています。
国語や算数の点数が良くなくても大丈夫。多くの子供たちに、芸術という選択肢をもっとたくさん与えてあげて欲しい。子供たち一人一人がより自分に合った武器を見つけられるように、いろんなものを見せ、体験をさせてあげるのが、大人の役割なのかなと思います。

少し余談ですが、先日、日本舞踊の発表会を観に行かせて頂く機会がありました。

恥ずかしながら、日本舞踊をちゃんと鑑賞したのは初めてで、こんなに奥が深くて、きれいで、素敵な舞踊なんだと、驚いたと同時に、すごく勉強になりました。重たい着物を何枚も身につけて、様々な小道具を使いながら、雅楽の難しいリズムに合わせて踊る様子はすごく趣があって、バレエとはまた違った美しさに感銘を受けました。約20分間、舞台で踊り続ける集中力、バレエとは違う独特の緩急の付け方、着物を着て限られたに範囲の中での様々な表現方法、全てが新鮮で、楽しかったです。
観たことがない方には是非おすすめしたいと思いました。

前回モダンバレエについての記事でも書かせて頂いたように、世界に目を向けると、 芸術だけでもいろいろなものがあるのに、踊りの種類も数えきれないほどたくさんあります。20年以上踊りを続けてきても、踊りの世界はまだまだ知らないことだらけだと、日本舞踊の舞台を観て感じました。

たくさんの種類の芸術の中から、自分の好きなもの、自分に合うものを選んで、それを使って表現してみたり、鑑賞したりするだけで、世界が広がります。足を運んで、いろいろなものをみて、きいて、感じ取り、机の上だけでは学べないことをたくさん吸収することは、すごく大事なことです。芸術はその人の感性を磨き、心を豊かにしてくれます。自分の心が豊かになれば、人にも優しくなれます。

そのなかで踊りは、言葉のいらない、世界中の誰もが誰とでも楽しめる、見える音楽だと思っています。外国語の歌詞がわからないとしても、外国語の映画は字幕や吹替がないと理解できないとしても、踊りはその音楽や振付に込められた思いをそのまま全世界の人に伝えられる世界共通語!

Dance is an international language!

キャロライン先生が言っていました。ダンスで世界を繋げること、Two Shoesの目標の一つです。